カンタ!ティモール

人生を変えてしまうような映画がある。
私にとっては「カンタ!ティモール」がそうだ。
自分の生きる在り方を根っこから揺さぶられる。
魂が震える。
何度観てもだ。
4回目は大切なひとと一緒に。
尊敬する女性と肩を並べて観た。

東ティモールが独立を果たしたのは2002年。
21世紀のこと。ほんの12年前。
それまでの間に彼らは家屋の9割を焼かれ、人口の3分の1を失う殺りくにあっていた。
強大な軍事国家インドネシアに対して、東ティモールの人々がとった行動は“報復しない”。
親兄弟を殺され、姉妹たちが日常的にレイプされる。
非道を尽くすインドネシアの兵士を捕虜にとり、ただただ説得を続けた。
自分たちは先祖代々の土地で暮らしたいだけだ。
戦う意思はない。
戦争は過ちだ。
食事も睡眠も十分に与えられ、兵士たちは教えられる。
あまりに多くの犠牲を払って。
けれど彼らは確かに暴力による負の連鎖を断ち切ったのである。

9割を超える投票率と8割近い賛成票とで独立が決まった1999年。
インドネシア軍は最後の大殺りくを決行する。
それでも彼らは報復しない。
平和を信念にして動かない。
誰も彼らからは奪えない。
共に暮らす者たちの深い絆。
大地を尊ぶ敬虔な心。
子どもたちの絶え間ない笑顔。
9割の家屋を焼かれた町に孤独な路上生活者は居ない。

「悲しい。いつまでも悲しみは消えない。でもそれは怒りじゃない。怒りじゃないんだ」
青年は真っ直ぐと語る。
なぜ赦せるんだろう。
答えは映画の中に在る。
音楽と自然と笑顔。
輪になり大地を踏み締める踊り。
脈々と続いてきた豊かな営み。
「平和は演説や政策じゃない。平和とは暮らしそのもの」
彼らは知っている。
人間の本当の幸せを。

武器を持ち戦うことでしか守れないものは奪われる。
けれど何があっても奪えないものがある。
愛。
ひとは愛があれば生きてゆける。
それを東ティモールの人々から教わった。
これからの時代を生きる全ての人に観て欲しい映画だ。


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A-unEX 「伝えるということ」

過去記事
「カンタ!ティモール」
「2度目のカンタ!ティモール」
「3度目のカンタ!ティモール」

映画「カンタ!ティモール」公式ページ
http://www.canta-timor.com/



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