言葉を放てば。
誰よりも先に。
私の目が文字を読み。
私の耳が声を聴く。
一番最初に心に届く。
私の言葉を受け止めるのは私。
自分を受け止められない時。
人は言葉をつぐむのだと思う。

晩秋。
大阪に転居した。
長年暮らした実家を出た。
大切な人と共同生活を始めた。
眠りに落ちる瞬間。
彼のぬくもりが在る。
それだけで幸せになれる気がしていた。
それだけが幸せな気がしていた。

麻薬のように。
夜になって身を寄せれば。
朝の虚しさも。
昼の寂しさも。
紛れてしまう。
でも消えない。
虚しさも。
寂しさも。
紛らわそうとすればするほど。
濃く深くなる。

違う。
違うんだ。
私が苦しみ抜いて選んだ道は。
自分を誤魔化す手段じゃない。
虚しいことに。
寂しいことに。
目を逸らしてはいけない。
でも。
虚しさは怖い。
寂しさは辛い。
私はフリーズした。

パソコンに向かわず。
携帯を開かず。
布団から出られず。
それでも夕飯は作った。
出来る限り作った。
大切な人と並んで温かなものを食べた。
食器を洗い。
風呂を沸かし。
洗濯をして。
眠れなくても夜は布団に入った。

どれもこれも当たり前の小さなこと。
でも何ひとつ実家に居る時には出来なかった。
その小さなひとつひとつが。
虚しさに灯る。
寂しさに灯る。
魂の芯に火を灯す。

幸せとは。
誰かにあたためてもらうことじゃない。
自分が自ら燃えることだ。
それはつまらないほどにささやかな。
自分との対峙。
億劫で。
面倒で。
厄介な作業。
つい他人のぬくもりにすがってしまう。
けれどいつ凍えるか知れぬ身に。
平穏は訪れない。

自ら燃える。
その光が誰かの孤独を照らした時。
初めて自分の孤独も暗闇から浮かぶ。
孤独が宝石のように輝くんだ。
虚しさを。
寂しさを。
石ころのまま放置しない。
孤独の宝石に為るまで。
私は磨く。

言葉を放てば。
誰よりも先に。
私の目が文字を読み。
私の耳が声を聴く。
一番最初に心の届く。
私の言葉を受け止めるのは私。
自分を受け止められた時。
人は言葉をつむぐのだと思う。



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