「助けて」と打ったメール。
夜中の1時32分。
「ヘルプ。もしも起きてたら助けて」。
すぐに電話が掛かってきた。
高校時代の男友達。
滅多に連絡を取らない。
けれど、そう。
「助けて」と言える数少ない人。

16分42秒の会話。
内容はあまり覚えていない。
少し泣いて少し笑った。
それくらいの記憶。
そもそもその夜の記憶がほとんどない。
お酒も薬も普段通りの量だった。
だけれど、堪らなく、生きていられないと思った。
 
1年半の長距離恋愛を経て。
別れるか、共に暮らすか。
物凄い覚悟をして。
一緒に生きていくことを選んだ。
それなのに。
私は大阪に来てから体が動かなくなった。
 
元気?と聞かれることが苦痛だった。
元気じゃないから。
楽しんでる?と聞かれると泣きたくなった。
楽しくないから。
「そこそこです」「ぼちぼちです」と苦笑して見せて。
本当は心の中で悲鳴をあげていた。

誰にも、心の声を投げられなかった私が。
SOSを出せた切っ掛けはある方の死。
一昨年突然逝ってしまった従姉と親交のあった方。
やっぱり突然逝ってしまった。
次の日もちゃんと生きようとした形跡をはっきり遺して。
突然旅立った。

大好きだった従姉。
今も残る彼女のブログには「大切な従妹」と私が登場する。
協調性がないと通信簿に書かれ続けた。
宇宙人と言われた子ども時代。
彼女だけが私に解かる言葉で話してくれた。
いじめ、父の暴力、母の不在。
真っ暗闇の中に居た児童期の私。
彼女だけが「人と違っていいじゃない」と言ってくれた。


でも、突然、私の人生から居なくなった。


神様が居るのならば。
何故こんなに酷い仕打ちをするのだろう。
余りに簡単に奪われる命。
いつ終わるか知れずに恐れて生きるなら。
いま終わってしまえばいいと思った。
手元には致死量の睡眠薬。
いつでも飲める状態にある致死量の睡眠薬。

電話が繋がらなかったら。
私は飲んでいたんだろうか。
わからない。
前科がある。
否定できない。
でも「助けて」と言えた。
助けて貰えた。
生きなさいということなんだと思う。
生きなければと思う。

生きられなかった人の分まで、なんて。
今の私には言えない。
自分の分すらままならない。
生きていくというのは、どうしようもなく、面倒くさい。
でも、生きていられることは、奇跡みたいなことなんだって。
それだけは解かる。
歳を重ねるたびに思い知る。

今日は共に暮らす大切な人の誕生日。
何のプレゼントも用意できなかった。
だから、私は生きるよって、それだけは伝えようと思った。
隣で、私がちゃんと生きている。
それだけしか贈れない。

空の色が変わっていく。
春が近づいてくる。
生きている。
生きているって、とてもとても尊い。



★☆★
ブログランキング参加中★☆★

わたしを必要とする誰かに
この言葉たちが届きますように・・・。


クリックしていただくとポイントが加算され、
たくさんの方に読んでいただける仕組みになっています。 
1日1回づつ押すことが出来ます。 
どちらも押していただけると嬉しいです。
 
ブログランキング・にほんブログ村へ banner

どうぞ応援よろしくお願いいたします。